海外イベントのコスプレマナーとは?

海外イベント当日の朝、日本に住むオタクからするとビックリするような光景を見ることになります。それが「コスプレは自宅から」。
イベント会場に向かう公共交通機関にコスプレ姿の男女があふれているのです。ある者は自宅から、ある者は宿泊先から。通勤客もいる普通の電車にぞろぞろと乗り込むコスプレイヤー達。

日本のオタクには「会場外でのコスプレはマナー違反」が暗黙の了解となっています。ハロウィンイベントの一般化で、この暗黙の了解もだいぶ崩れてはきましたが、日本でそれなりの年月コスプレをしている人にとって「自宅からコスプレ衣装を着てくることは非常識」ではないでしょうか。
しかし海外…特に欧米では「自宅からコスプレ」が一般化しています。露出度の高い衣装、破損の恐れのある衣装でない限りコスプレ衣装を着てから自宅を出発し、コスプレ衣装のまま帰宅するのが当たり前。イベント帰りにコスプレのままお買い物に行ったり、食事に行ったりする人もいますが、それを注意する人はいません。

なぜ自宅からコスプレするの?

理由は単純です。アジアの一部除くほとんどのイベントにおいてコスプレイヤー向けの更衣室がないからです。
更衣室やクローク(※有人の荷物預り所)を準備するイベントも増えましたが、利用料を節約するために使わない人、荷物の盗難を警戒して使わない人もたくさんいます。 そうなると衣装を着て会場へ向かうか、会場内のトイレで着替えるかのどちらかを選ぶしかありません。会場近くのホテルを予約して着替える人、車で来場して車内で着替える人もいますが、費用をできるだけ切り詰めたい参加者の多くが「自宅から」を選んでしまうのです。

…といっても、家を出る瞬間からお祭り気分を味わいたい!邪魔な荷物(着替え)を持ち歩きたくない!という理由が一番大きいのではないかと思います。

海外のイベントにコスプレで参加することは可能?

可能です。「お祭りを楽しむために扮装している」というテイ、禁止されているコスプレでなければ基本問題はありません。
(禁止されているコスプレに関しては下で説明します)
コスプレイヤーとしてステージに出演する、握手会や大規模撮影会をするという場合はイベント主催者への申請、出展者として申し込みが必要になる場合があります。過去にはこれらを無許可で行い現地で逮捕された事例もありますので注意しましょう。

どんなコスプレが人気あるの?

以前はコスプレの流行にも日本との時差がありましたが、今では日本で流行っているものが海外でもほぼ同時に流行るようになりました。
古くは「NARUTO」「デスノート」「ボカロ」。「聖闘士星矢」「セーラームーン」「ドラゴンボール」「黒執事」も根強い人気があります。

いわゆる「Kawaiiファッション」もヨーロッパではまだコスプレの範疇。日本のファッションブランド「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT」、「Angelic Pretty アンジェリック・プリティ」、「Innocent World イノセントワールド」といったブランドの洋服を着用し、カツラにバッチリメイクで決めたロリィタファッションの女性もたくさんいます。黒基調のゴシック系よりピンクや水色を基調にした甘ロリが人気です。

禁止されているコスプレとは?

イベントごとにルールが違うので、必ずイベントの公式案内をよく読みましょう。

実在する公務員の制服(警察官や消防士の服)や軍服に類似する衣装、政治的アピールの強い衣装は、どの国でも禁止と思ってください。
モデルガン、模造刀も本物と見分けがつかない物になるとNGです。(遠くからでもオモチャだとわかる「ファンタジーウェポン」であればOK)
卍(まんじ)マークがナチスのハーケンクロイツ(鉤十字)と見分けがつきにくいとして禁止されているイベントもあります。

下着や水着のみの着用、全身迷彩、テロリストや強盗と間違われかねない扮装、顔の黒塗り等。イベントで禁止されていなくても人種や国籍を理由に問題視される衣装やメイクも数多く存在します。現地の人がやっているからOK…と思っても、観光でやってきている日本人となると扱いは別になるのです。ご注意ください。

コスプレ撮影のルールはあるの?

コスプレエリアでの撮影が推奨されているイベント、撮影専用ブースが設置されているイベント。トイレ以外ならばどこでも自由に撮影できるイベントなど、さまざまです。
その国独自の撮影ルールおよびマナーが存在することもあります。トラブルになるようなことは避けましょう。

アジアのイベントほど立派なカメラでレイヤーさんのみをしっかりと撮影する人が多め。一方で欧米はスマホでレイヤーさんと自分を一緒に撮影する人が多めの印象です。