「出展」を前に誰もがまず最初に考える事。そしてもっとも多い質問。
それは「海外のオタクイベント/日本文化イベントにお店を出したら儲かるの?」。
スポンサー皆無でやっている個人サイトなのでハッキリ書きます。儲かりません。
したがって出展の第一目的を「儲け」に設定すると、高確率で失敗します。
クールジャパンだ!Kawaii文化だ!海外出稼ぎだ!日本のコンテンツ力は世界一ィィィィーッ!…と、何十年も前から日本国内で言われ続けていますが、海外イベントの日本人出展者数はほぼ変化がありません。
国、会社、スポンサー等から旅費を全額支給してもらえる。電車で移動できるような近隣国から参加している。かかった金額はすべて経費として処理できる。
…という条件ならともかく、日本から海外イベントへ参加した場合、出展にかかる費用……往復フライト代、宿泊費、食費を売り上げから回収し、さらに儲けを出すのは容易ではありません。日本から近いアジア圏のイベントならともかく、遠い欧米のイベントに出展して儲けている日本人は少ないと思っていいでしょう。
もし誰もが確実に儲けられるのであれば、今頃フランスのジャパンエキスポやアメリカのアニメエキスポには日本の企業や個人サークルが何千と軒を並べるような事態になっているはずです。そうなってない時点で察しましょう。
- 素人だから儲からないだけでは?
- 「プロの商売人やコミケ壁クラスの大手同人サークルが出展すれば儲かるのでは?」と思った人もいるのではないでしょうか。
今から10年ほど前、「ジャパンエキスポに出稼ぎ!フランス0円ツアー」等と称し、日本からパリまでの旅費全額をエキスポの売り上げで賄った上で儲けも出そう!という、文字通り「出稼ぎ」ツアーを組んだ団体がいました。
数十万~数百万円の参加費にもかかわらず集まった参加者は100人。『クールジャパンビジネスのプロ』として界隈(?)では有名だという主催者が太鼓判を押すクールな日本アイテムを携えパリに挑みました。しかしエキスポ終了後、主催者だけでなく参加者すらもこの話題に一切触れなくなってしまったのです。
ひっそり公開された参加者の後日談によると「出稼ぎ」とは程遠い売り上げ。商売に関しては並以上のスキルを持っている参加者も数多くいたはずなのに、儲けどころか宿泊費すら稼ぐことができず終わってしまったそうです。
また、日本では誰もが知っているであろう超有名漫画家さんが個人でヨーロッパのイベントに出展されたことがありました。こちらも後日談によると「思ったほど売れなかった」そうです。
「商品のチョイスが悪かっただけでは?」「少人数で行けばよかったのでは?」「流行ジャンルを読み違えたのでは?」と敗因を分析された方もいましたが、以降、彼らが出展することがなかったことはお伝えしておきます。