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海外イベントの問題点
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フランスでジャパンエキスポが開催されるたびに日本で話題になる韓流(韓国)ブース、そして年々拡大する海賊版グッズ(コピー商品)問題について。本編とは関係ないオマケです。あくまで個人調査なので、そんな風に考えた人もいた!程度に読んでください。
「フランスでジャパンエキスポ開催!」というニュースと同時に毎年ネットで話題になる単語がかつてありました。それは「韓国」。「エキスポに行ったことはないけど、この話は聞いたことがある」という方もいるのではないでしょうか。
ジャパンエキスポ会場に飾られる韓国国旗。BGMにはK-Pop。お店に高々と飾られるBTS(防弾少年団)、BLACKPINK、EXOといった当時の人気K-Popグループのポスター。ハングル文字がプリントされたグッズ。出版ブースでは韓国人漫画家のサイン会。「ジャパンエキスポ」という名前でありながら、毎年「韓国」に関連するブース(お店)…いわゆる「韓国ブース」が出展されるというのです。
「ジャパンエキスポって名称なのに韓国のブースが韓流グッズを売ってる!寄生行為じゃないか!」という意見とともにネットを騒がせていたこの話題。日本人であればちょっと首を傾げたくなるのもよくわかります。しかしネットニュースには韓流グッズの並ぶ店舗の写真が掲載されるだけで、それ以上のこと、それ以外のことはほとんど報道されません。
いつからあったのか正確な情報はありませんが、ジャパンエキスポ開催初期から韓国ブースが出展していたということは間違いないでしょう。
エキスポに日本やフランス以外の国籍の人が出展する(お店を出す)、韓国の物を売ることに何ら問題はありません。ジャパンエキスポに限らず、こういった海外の日本イベントはお金さえ払えば基本、誰でも出展できるのです。
日本で「韓国ブース」が問題視されるようになったのは2006年、公式ゲストとして呼ばれた日本人漫画家8人を上回る11人の韓国人漫画家がサイン会を始めた頃からのようです。この時は「出版社が独自に呼んだ」ということで即沈静。日本も韓流ブームだったということもあってか、ネットでもごく一部でしか話題になりませんでした。
2010年には韓国政府の韓流宣伝ブースが出展。2011年には「日本の剣道は韓国がルーツ」とする韓国剣道・コムドのデモンストレーションが行われることとなり大きな話題となりました(その後、コムドのデモンストレーションは中止になりました)。
このころからネットニュースや、それらを転載する「まとめサイト」で『日本のアニメ、マンガ文化が危ない 「ジャパン・エキスポ」で韓国ゴリ押し販促』『「ジャパンエキスポ」にも韓流…日本人から不満の声も』『ジャパンエキスポに寄生する韓国政府』といったタイトルのニュースが現れ始めます。
ジャパンエキスポの主な参加者であるフランス人はどう思っているのでしょう。
「ジャパンって言ってるけど中身はアジアエキスポだから」、「J-PopもK-Popも好きだから一度に両方見れて便利」という意見も少なくないように思えます。
「K-popと言っているけれど日本語で歌って日本でも人気あるならばJ-Popになるのでは?」という日本人もたくさんいます。「会場にいる参加者の多くは気にしていない」のが現実です。
韓国ブースの他に日本人であればもう一つ目を惹くブースがあります。それは大量に並べられた著作権無視の海賊版(コピー商品)。
非正規のアニメグッズやフィギュア。pixivやtwitterから無断転載したであろうイラストがプリントされたクッションカバーやiphoneカバー、時計にTシャツ。日本の大手同人サークルの同人誌表紙をそのままプリントしたタペストリー。それらを詰め合わせた福袋まで。
こういった版権無視の海賊版を専門に取り扱うブースが大量に並び、ジャパンエキスポの一角に「アジアニセモノ市場」を形成します。その数は韓国ブースの比ではありません。
フランスのネットで話題になるのは「韓国ブース」ではなく、この「海賊版摘発」のニュースです。しかし摘発されるのはごく一部のブースの一部の商品のみ。翌日になると何もなかったかのように再び大量の海賊版が店頭に並びます。
「韓国ブースに並べられたK-popグッズすら実は海賊版」という話もありますから、もうわけがわかりません。
この問題はフランスだけではありません。正規品より中国で作られた海賊版の品が多く並ぶイベントも海外にはまだまだたくさんあります。街中のアニメグッズショップですら正規品よりも海賊版の取扱数の方が多いことすらありました。
アニメといえばネットの字幕付き無断転載。アニメグッズといえば海賊版。そんな“正規品を見る機会の少ない環境”の中で過ごしてきた海外の若いオタクにとっては海賊版も立派なアニメグッズであり、それらを入手することに抵抗はないのです。
テレビでも取り上げられた「韓国ブース問題」ですが、韓国人歌手・PSYの歌う「江南(カンナム)スタイル」の大ヒットを境に店舗は減少傾向にあります。かつては会場は行ってすぐの目抜き通りに韓国国旗を掲げ、K-Popアイドルのグッズやハングル文字の雑貨を扱う店がいくつも並んでいましたが、近年は男性K-PopアーティストのグッズとCDを販売するお店が2~3店あるのみです。BTS人気により多少盛り返したとはいえ、より数が増えることはなくなりました。
なぜ落ち着いてしまったか。理由は単純。もう「韓国」だけで勝負できるようになったから。
わざわざオタク相手に“日本のものと勘違いさせるような韓国コンテンツ”を売り込む必要がなくなったのです。
近年はスマホの縦読みマンガ…Webtoon(ウェブトゥーン)の売り込みを積極的に行っており、各国のイベントで巨大ウェブトゥーンブースを展開しています。そこでは日本人作家の作品も数多く配信されています。わざわざ「韓国のものです」とアピールしたり、小さく地味なブースをいくつも展開をする必要もなくなったのです。
2012年に私が出展したジャパンエキスポ・ベルギーの日本人出展者は一桁。その他のお店は韓流ブースと海賊版ショップ。加えてタイ料理のお店。おりしも江南スタイル大流行の年であり、会場内では韓流ドラマの映像とともに1日中江南スタイルがBGMとして鳴り響き、江南ダンスを踊る欧州の若者で盛り上がっていたのですが…。
日本からの距離、日本企業の関心度、それとは逆に年々拡大する会場の広さや値上がる出展費を考えると、日本の物や日本の文化だけを揃えた本当の意味での「日本イベント」を開催するのは難しいのかもしれません。
今後も
韓国ブースと海賊版グッズブースは
出るよ